自宅灸のススメSelf-moxibustion
足三里の灸
足三里というツボ(経穴)をご存知の方は大勢いると思います。松尾芭蕉がこの足三里にお灸をしながら旅していたという記述が、有名な”奥の細道”にはあります。足三里に灸の痕がない人とは旅をするなとも 言われていたのです。また、この足三里のツボは、養生のツボとしても有名です。少し前までは、健 康維持のために足三里に灸をしている人もたくさんいたのですね。
まず、足三里の位置を確認していきましょう。 膝を直角に曲げて膝頭(膝蓋骨)の外側から指4本分下(人差し指から小指ま での幅)にあります。ちょっと言葉だけではわかりずらいかもしれませんが、 もしお手元にツボの書かれた本や図などがある方は、ご確認ください。
次に、このツボの効用についてですが、足三里は胃の経絡に属していますので 胃の疾患全般に効果を発揮します。また、他のツボと組み合わせると高血圧や 精神疾患にも効果があるのです。さらに、妊娠悪阻(つわり)などにも効きま す。東洋医学では、胃腸などの消化器をとても重要視します。胃腸が調子悪け れば”気”の原料である栄養が十分に摂取することができません。そうそろと 元気がなくなってしまうのですね。元気がなくなれば、さまざまな症状を引き 起こします。
ですので、毎日この足三里にお灸することをお勧めします。お灸は、薬局や ドラッグストアで、せんねん灸やカマヤ灸などの温灸タイプのものが購入で きます。一般の方向けのお灸ですのでとても簡単に使用することができます ので一度お試しください。
不妊症改善の灸
昔から不妊症治療のための灸というのがさかんに行われていました。ここでは二つの方法をご紹介しましょう。
まず、4寸(約12㎝)の紐をご用意ください。仰向けに寝ていただいて、臍の中心から下に垂直に紐を垂らします。下に垂らした紐の端にあたる部分にペンなどで印をつけます。今度は、紐を横向きにして、紐の中心を印をつけたところに当て、水平になるようにピンと張ります。それぞれの紐の両端に印を付け、その点にお灸をします。古典では、それぞれの点に37壮灸すると書いてありますが、一般の方は艾を小さく捻ってお灸することが難しいと思いますので。市販されている千年灸やカマヤ灸で代用してください。 壮数は、1壮で十分です。熱さを感じない人は、熱さを感じるまでやりましょう。ただし、火傷にはくれぐれもご注意願います。
子宮穴 さて、二つ目の方法ですが、これもおおよそ同じような場所にある経穴ですが、”子宮穴”という奇穴があり、その経穴にお灸をします。この経穴は不妊症だけでなく、子宮内膜症、子宮下垂などの婦人科系疾患に効果があります。
子宮穴の場所ですが、、臍から恥骨の上端までを5等分して、臍からの5分の4のところに印をつけ、そこから両サイドに9㎝ほどのところに印を付けます。調子の悪い人はこの付近を押すと圧痛がするはずです。体格によって多少位置がずれてしまいますので、9㎝にこだわらずに、自分の人差し指から小指までの(こぶしを作る部分)の幅を取ったほうが正確に位置が取れます。その部分に37壮お灸しますが、やはり一般の方が千年灸がカマヤ灸を1壮すると良いでしょう。
美肌の灸
女性にとってはお肌の手入れは日常欠かせないものになっていますが、若さのバロメータでもあり、カサカサやシミはできるだけ避けたいというのが人情でしょう。
さて、そこで美肌の基本はまず肌荒れを防ぐこと!!ということで、肌荒れにならないためのツボをご紹介しましょう。
まず、首のちょうど後ろにある”大椎”という経穴、頚椎の7番目と胸椎の1番目の棘突起(背骨の尖った部分)にあります。首を曲げると大抵の人は一箇所だけぼこっと盛り上がりったところがあります。それが大体頚椎の7番目の棘突起になりますので、その真下が大椎になります。”大椎”は、顔中にある経絡が全て通過する経穴なので、ここを刺激すれば、顔中の経絡にその刺激が行き渡るのですね。だから美顔には大切な経穴なのです。
それから、お腹にある”中脘”という経穴。みぞおちとお臍を結んだ線のちょうど真ん中にあります。胃の調子が悪いと肌荒れの原因なります。胃の調子を整えるにために重要な経穴なのです。さらに手の親指を人差し指が接している根元の凹みにある"合谷”という経穴。大腸経の重要な経穴で、便秘などで肌が荒れている方には必須の経穴です。便秘解消で美肌をゲット!!
合谷これらの4箇所の経穴に、お灸でもいいですし、鍼と同じような刺激を与えることができる”簡易梅花鍼”で刺激を与えましょう。
【簡易梅花鍼の作り方】
まず、楊枝を10本程度用意してください。それを、揃えて束ね輪ゴムでしっかり留めます。尖っている方ではなくてぎざぎざの付いている方をしっかり縛ってください。これで出来上がりです!
使い方は簡単、柄の方を軽く持って、尖っている方をツボにとんとんとんという感じで、少し痛みを感じる程度の力で叩きます。しばらくすると叩いている部分が赤くなってきますので、赤くなったら終わりにしましょう。
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