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突発性難聴Sudden deafness

西洋医学的な”突発性難聴とは・・・”

もともと健康で今まで耳の病気を経験したことのない人が、明らかな原因もなく、あるとき突然に通常片側の耳が聞こえなくな

現在推定されている原因のうち最も有力な説は下記のとおりです。

①ウィルス感染説
 難聴を発症する前に風邪のような症状を起こしているケースが多いようです。また、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)や麻疹などのウィルス疾患が突発的な高度難聴を起こすといわれています。突発性難聴が一過性であり、再発をしないという特徴がありますので、有力な説といわれています。
②内耳循環障害説
 内耳血管の痙攣や塞栓、血栓、出血などにより、内耳の循環障害により突発性難聴が引き起こされているといわれています。それは、治療として血管拡張剤や抗凝固剤などを服用して血液循環を改善することで、しばしば治療効果があると報告されています。しかしながら、突発性難聴の特徴である一過性であるということの説明をすることが出来ません。

1993年に厚生省研究班を中心に行った調査では、突発性難聴の全国受療者数は推定、年間24,000人で、人ロ100万人対で192.4人でした。2001年の調査では、全国受療者数は推定、年間35,000人で、人ロ100万人対で275.0人と増加しました。

一般には50~60歳代に多く、男女差はありません。飲酒喫煙歴はあまり関係しないようです。食生活は、あまり関係ないようですが、突発性難聴の患者さんに野菜の摂取が少ない傾向があるとのこと。睡眠時間は関係ありませんでしたが、発症前に疲労感を感じていることが多いようです。 おたふく風邪(流行性耳下腺炎)、麻疹、水疱瘡、蕁麻疹、胃腸炎、感冒、高血圧、糖尿病、心疾患の既往が突発性難聴の患者には多くみられています。

突発性難聴では耳以外の神経症状(四肢の麻痺や意識障害な ど)が認められないのが特徴です。発症が突発的であることから、ほとんどの患者さんが発症の時期やそのときの状況を覚えていることが多く、徐々に聞こえなくなるような難聴は突発性難聴ではありません

突発性難聴の主症状は下記の通りです。

①突然の難聴 
文字通り即時的な難聴、または朝眼が覚めて気付くような難聴。ただし、難聴が発生したとき寝ているとき、あるいは何かの作業中など、自分がその時何をしていたかをはっきり説明できる場合がほとんどです。
②高度な感音難聴
 必ずしも高度である必要はありませんが、高度でないと突然難聴になったことに気付かないことが多いようです。
③原因が不明あるいは不確実

副症状として下記のようなものがあります。

①耳鳴り
 難聴の発生の前後に、耳鳴りを生ずることがあります。
②めまい・吐き気・嘔吐
 難聴の発生の前後に、めまいや吐き気、嘔吐を伴うことがありますが、めまい発作を繰り返すことはありません。

突発性難聴の検査は純音聴力検査といい、オージオメータを使った聴力検査を行います。125ヘルツから8,000ヘルツまで7種類の純音を用いて通常の人がぎりぎり聞こえるか聞こえないかの大きさを0デシベルとして検査を受ける人がこれと比較して何デシベルの聴力レベルなのかを調べる検査です。

聴力のレベルは下記のとおりです。

軽度難聴(聴力レベル25dB以上40dB未満)
小さな声や騒音下での会話の聞き間違いや聞き取り困難を自覚する。会議などでの聞き取り改善目的では、補聴器の適応となることもある。

中等度難聴(聴力レベル40dB以上70dB未満)
普通の大きさの声の会話の聞き間違いや聞き取り困難を自覚する。補聴器の良い適応となる。

高度難聴(聴力レベル 70dB以上90dB未満)
非常に大きい声か補聴器を用いないと会話が聞こえない。聞こえても聞き取りには限界がある。両耳の聴力レベルがそれぞれ平均70db以上の場合には、判定医の診療により障害者認定を受けられる場合もある。

重度難聴(聴力レベル 90dB以上)
補聴器でも聞き取れないことが多い。人工内耳の装用が考慮される。

診断は、上記の主症状が必ずあることと、副症状がいくつかあり、聴力検査の結果を総合して判断をしていきます。

治療方法としては、発症した時の急性期に、先ほどの説に基づき原因を想定した治療を行います。急性期の治療として最も重要なものは安静です。突発性難聴の発症前に精神的、肉体的疲労感を感じていること が多く、心身ともに安静にして、ストレスを解消することは重要です。

基本的には、突発性難聴に対して治療法が確立されていないのが現状です。様々な治療法が検討されていますが、どのような治療法が最も有効であるかは未だ明らかではありません。

突発性難聴の主な治療方法は下記の通りです。

①内耳循環障害改善を目的とする治療
 血管拡張を目的とした薬剤としては血管拡張薬が用いられます。また、血栓により内耳循環障害が生じていると考えられる場合には抗凝固薬が用いられます。代謝改善薬や向神経ビタミン製剤が併用されることもあります。 薬剤以外では二酸化炭素による血管拡張を期待して95%酸素・5%二酸化炭素混合ガス吸入が行われています。さらには血液内酸素濃度を上昇させるために高気圧酸素療法も試みられています。また、星状神経節ブロックが行われることもあります。
②ウイルス性内耳障害改善を目的とする治療
ウイルス感染に対しては副腎皮質ステロイドが広く用いられています。副腎皮質ステロイドの持つ強カな抗炎症作用がウイルス性内耳炎を軽快すると考えられますが、免疫的な作用機序や循環障害で生じる活性酸素を抑制するなどの循環系に対する機序も関与しています。

副腎皮質ステロイドの投与は一般に内服や点滴で行われますが、 糖尿病や胃潰瘍、結核などの合併症がある場合には副腎皮質ステロイドの副作用によって、それぞれの疾患が増悪する可能性があります。近年、鼓膜を介して中耳(鼓室)に副腎皮質ステロイドを注入すると、比較的高率に内耳に吸収されることが明らかになったことから、これらの疾患の既往がある方や、内服や点滴で 改善が見られなかった場合に、この方法(副腎皮質ステロイドの鼓室内投与)が用いられるようになっています。ただし、その方法の詳細(どれくらいの期間に、どの程度の副腎皮質ステロイドを用いるのがよいか等)については、いまだ確立したものはありません。  

東洋医学的な”突発性難聴”とは・・・

東洋医学では、突発性難聴を”暴聾”といいます。主な原因は、風熱の邪毒が口や鼻から侵入し、胆経を侵襲して気の流れを滞らせ、耳の竅を塞いで通じなくさせることにより聴力が急激に落ちることによって引き起こされると考えます。また、精神的に不安定になることにより、肝の疏泄機能が低下し、鬱積することで肝と胆の経絡を通じ耳竅を犯し急激に聴力が低下するとも考えています。

①肝火上炎タイプ
 【原因】
激しく怒ったり、イライラすると肝を傷つけ、また突然驚いたり恐れることにより肝気が鬱結し、上逆することにより、耳竅を閉塞してしまいます。また、精神的に抑うつになると、肝気の流れが阻害され、スムーズに流れなくなると更に鬱結をして化火することにより、肝胆の火が耳竅に影響を与え、耳鳴りや難聴が起こります。
【症状】
耳鳴りは潮のような音や風や雷のように聞こえる・耳の腫れぼっい感じ・耳が痛い・頭痛・眩暈・顔面紅潮・目赤・口苦・咽頭部の乾燥・不眠・精神不安・気持ちが落ち着かない・胸肋部の脹痛・便秘

②痰火鬱結タイプ
【原因】
酒や味の濃いものを過度に摂ったりすると、湿が溜まり痰を生じます。痰が鬱結して化火し、痰火となって耳竅に影響を与えると耳鳴りや難聴が起きます。
【症状】
両耳にヒューヒューという音がして、重い濁った音がする・眩暈・頭重感・胃やみぞおちの膨満感・胸騒ぎ・咳嗽・痰が多い・口苦・大便小便がすっきり出ない

突発性難聴のタイプ別治療方法

【基本治療】
症状のある側の翳風穴と外耳道にスーパーライザーを照射し、内耳の血液循環の改善を図ります。併せて、耳周辺の経穴に鍼を置鍼し、聴覚神経を刺激していきます。

基本治療以外は、タイプ別に下記のような治療をしていきます。

肝火上炎タイプ 【清肝瀉火法】
肝胆の火を清めて、耳の竅を通じさせます。手足の肝胆経の経穴を使用して、肝の熱を下ろし胆火を排出をします。治療ポイントは、頭部・耳周辺・ 前腕部・下腿の前面になります。
痰火鬱結タイプ 【去痰通竅法】
脾胃経の経穴を使用して去痰をはかり、耳の竅を通じさせます。、 治療ポイントは、頭部・腹部・前腕部・膝下の前面になります。

治療期間と周期

突発性難聴は時間との勝負ですので、最低でも週2~3回程度治療をしていくことが理想です。5回の治療が終了した段階で、耳鼻科にて聴力検査をし聴力の回復状況を把握します。

突発性難聴は、医学的には発症から2か月経過すると聴力が固定されてしまい、治療が困難とされてますので、耳鼻科での治療は2か月で打ち切られてしまいます。しかしながら、聴力が固定されてしまう期間は個人差がありますので、2か月より早く固定してしまう人もいますし、2か月以上経ても聴力が改善する人もいますので、5回の治療を1クールとして、その都度聴力の回復状況を把握しながら、治療を継続していきます。

基本的には、日常生活に支障が出ない程度まで聴力が回復した段階まで治療を継続していきます。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせください。

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