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不妊症の原因(西洋医学)Causes of infertility(Western medicine)

卵管障害

卵管

卵管は、子宮と卵巣をつなぐ長さ7~8㎝、直径5mm(細いところでは1mm程度)の細い管です。排卵した卵子は、この卵管を通じて、子宮まで運ばれまず。卵管の途中で、精子と出会い、受精した受精卵は子宮内膜に着床し、妊娠が成立します。

卵管障害の原因には主に次に2つがあります。

卵管通過障害 クラミジアなどの感染症や卵管水腫、子宮内膜症あるいは子宮や卵巣の手術によって卵管が閉塞することで、卵管を卵子が通過することが出来ない”卵管通過障害”が起こります。
ピックアップ障害 卵巣から排卵した卵子を卵管内取り込むことの出来ずに不妊になる場合もあります。これは、卵管采という卵管の先端にあるイソギンチャクのような漏斗によって、卵巣から排卵された卵子が卵管に取り込まれるのですが、卵管の形が変形していたり周囲との癒着があると、卵管采が上手く卵子を取り込むことが出来ない”ピックアップ障害”が起こります。子宮内膜症や子宮筋腫、あるいは子宮周辺の開腹手術をしたことのある人などは卵管の周囲が癒着している可能性があります。

排卵障害

正常な生理周期は、25~38日といわれています。不妊治療をされている方の中では、40日以上の人は珍しくありません。排卵誘発剤などの薬を服用すれば、正常周期になる人もいます。脳の視床下部や下垂体から分泌されるホルモンの刺激によって、卵巣で卵胞が成長し、8mm程度の大きさになったときからエストロゲンの分泌が盛んになり、20~30mm程度まで成熟し、排卵します。排卵後、卵胞は黄体となり、受精をして子宮内膜に着床するとプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し、妊娠を維持します。

排卵障害は、不妊症の原因の中で最も多い原因で、その原因にはいくつかあります。

視床下部型 視床下部からはGnRHというホルモンが分泌され、脳下垂体の性腺刺激ホルモン分泌を促します。また、TRHやPRHというホルモンを分泌し、甲状腺ホルモン分泌や脳下垂体からのプロラクチン分泌をコントロールします。視床下部は自律神経中枢ですから、さまざまなストレスによって機能に異常をきたすと、脳下垂体のホルモン分泌に影響を与え、正常に卵胞が成長しなくなり無排卵症になったり、あるいはTRHやPRHが過剰分泌となり、脳下垂体でのプロラクチンを過剰分泌させ、高プロラクチン血症になります。
脳下垂体型 GnRHの刺激によりFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)を分泌し、FSHは卵胞の成長促し、LHは卵胞の成熟とエストロゲンの分泌を促し、排卵を誘発、黄体を形成させて、プロゲステロンを分泌させます。GnRHが正常に分泌されていても、脳下垂体の機能が低下していると、FSHやLHの分泌が低下し、やはり卵胞の成長に影響を与えてしまい、無排卵症になります。
卵巣機能低下型 卵巣からは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され、エストロゲンは卵胞の成長を促し、子宮内膜を増殖させます。プロゲステロンは、子宮内膜を分泌期にし、排卵後の高温期を作ります。卵巣がFSHやLHに対して十分に反応することができなければ、卵胞が十分に成熟しません。
多嚢胞性卵巣型 卵巣機能が低下している状態で、排卵がしない状態が続くと、排卵できない卵胞が数珠玉のようにつながった状態(ネックレスサイン)で卵巣の中にある状態をいいます。排卵を促そうとしてLHが過剰に分泌されますので、血液中のLHが排卵期以外でも高値を示します。
高プロラクチン血症型 プロラクチンは、乳汁を分泌させるためのホルモンですが、このホルモンが分泌されている間は排卵が抑制されます。産後、母乳をあげている女性が妊娠しないのはそのためです。プロラクチンは、脳下垂体から分泌されますが、視床下部で分泌をコントロールされています。ストレスなどで視床下部の機能に異常をきたすと、TRHやPRHが過剰分泌となり、脳下垂体でのプロラクチンを過剰分泌させ、高プロラクチン血症になります。また、脳下垂体自体の機能異常によってもプロラクチンが過剰分泌されます。これ以外にも、消化器機能改善薬などをを服用している場合、その副作用でプロラクチンの分泌が過剰になるケースがあります。

受精障害

排卵した卵子は、卵管を通じて子宮に運ばれる途中に、精子と出会い受精をするわけですが、卵子と出会った精子は、、頭部からアクシロンという酵素を分泌し、卵子の透明帯という膜を通過し、卵子の細胞膜と結合します。

卵子と精子が出会うまでには様々な障害があります。一つは先ほど卵管障害のところでお話したように、物理的に出会うことが出来ないということです。それ以外にも次のことが考えられます。

頚管粘液分泌不全 排卵日頃、子宮の入り口付近に頚管粘液と呼ばれる水様透明な粘液で満たされて、精子がその粘液中を泳いで子宮内を卵管に向かって進んでいきます。また、この粘液は、精子の運動性を高める働きもあります。この粘液の分泌が不足していたり、あるいは粘液の状態が悪かったりすると、精子が子宮内を通過することが出来ません。
免疫学的不適合 本来、精子を通過させ、運動性を高めるはずの頚管粘液が、精子に対して抗体(抗精子抗体)を持ってしまい、精子を異物として攻撃してしまうことが起こります。そのために、十分な数の精子が卵子と出会うことが出来ずに、受精することが出来ません。原因不明の不妊症の人は、このケースが考えられますので、抗精子抗体の検査をする必要があります。、

着床障害

受精した卵子は、卵管を通過して子宮に達し、子宮内膜に着床します。この子宮内膜に異常があり、受精卵が着床することができない場合があります。

子宮内膜の異常 排卵後、受精卵が着床しやすいように、子宮内膜は厚くなってきますが、この内膜に異常があると着床することができません。子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮内膜癒着(アシャーマン症候群)などにより、子宮内膜に異常をきたします。不妊症の13~15%と言われています。
子宮の奇形 子宮腟部がほとんど正常位にありながら,子宮体部が後方に屈曲し,ダグラス窩方向に落ち込んだ状態になっている子宮後屈や子宮の上部がハート形になっている単頚双角子宮、弓状子宮、中隔子宮、不完全中膈子宮、単角子宮、分離重複子宮などの子宮奇形があります。これらの子宮奇形によって、不妊になるケースも数%の割合で起こります。
黄体機能不全 排卵後、卵胞は黄体になります。その黄体からプロゲステロンというホルモンが分泌されるのですが、子宮内膜はこのホルモンによって増殖し、着床に相応しい内膜に変化させます。黄体の機能に異常がありプロゲステロンが十分に分泌されずに、子宮内膜が完全な分泌期を表さないと、受精卵は着床することが出来ません。.基礎体温で高温相が短い場合は、この黄体機能不全を疑った方がいいでしょう。

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